令和3年度空気調和・衛生工学会大会(福島)

技術展示会

株式会社村田製作所

村田製作所の2波長NDIR型CO2センサは、従来品に比べ、高精度・長期安定性・メンテナンスフリーを実現したセンサです。BEMS市場においては、ビル管理法の基準値であるCO2濃度1000ppmを元に換気をするようCO2センサが使用されております。近年のコロナウイルスの蔓延より、人々の換気意識が高まっている中でセンサの重要性はさらに高まっております。従来のCO2センサでは、出力値の保証のために定期的に基準ガスを使った校正が必要となっており、校正による追加コストや手間がかかる等の課題がございました。弊社のセンサではこのような課題を解決し、さらに換気基準に対してマージンを厳しく設定することが可能であるため、空調のエネルギーロスにも貢献します。


BEMS・自動換気向けでは、その精度やガス選択性の高さからNDIR方式のCO2センサが多数使用されております。NDIR方式はそれぞれの気体が持つ特定波長の光を吸収するという特性を利用しております。中でもCO2は約4.2μmの赤外線を吸収するため、CO2の濃度に応じて変化する赤外線量を検知することによってCO2濃度が算出されます。
しかし従来のNDIRセンサは、光源の劣化や光路の反射率の変化、受光素子の特性変化など、複数の要因によってドリフトが発生しており、定期的な校正が必要となっております。
NDIR方式には単波長方式と二波長方式の2種類あります。
単波長の機構はシンプルで、校正には大気という外部環境を使用します。そのためセンサ設置環境が大気のCO2濃度である約400ppmとならない環境下では校正できません。またセンサ自身の劣化までは補正不可能となるため、大気校正によって一時的に400ppm付近では一致したとしても高濃度側でのドリフトは防げません。(添付pdf参照)
一方、従来の単光源二素子二波長方式では参照光により校正が可能ですが、赤外線センサが測定光用・参照光用で2つ並列して存在するため、受光素子間の感度変化や、光路での反射率の変化の影響がそれぞれ異なることがドリフトに繋がります。また光源からの出力が分割されるためS/Nが低下するといった課題があります。
PDF
弊社では参照測定を行った二波長NDIR方式で、測定光と参照光を同一測定条件となるように光学フィルタのモーターによる自動切換えを採用しました。これにより従来の一波長方式・二波長方式の校正課題を解決しました。お客様にて長期間にわたってドリフトが±50ppm/yearに収まっていることを確認しており(添付pdf参照)、BEMS市場での設計寿命は10年で、高いメンテナンス性の向上が期待できます。
PDF

お問合せ情報

企業名 株式会社村田製作所 機能デバイス事業部 商品技術部
URL https://www.murata.com/ja-jp
E-mail 久保 翔sho.kubo@murata.com
電話番号 080-9305-7332

公益社団法人 空気調和・衛生工学会