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2.ハロン代替消火剤(新ガス消火剤) 新ガス消火剤の種類と特性 (1)ガス系消火剤の種類と物性 現在使用されているガス系消火剤を大別すると、二酸化 炭素、窒素、アルゴンの不活性ガス単体または混合体で構 成されるイナート系(不活性ガス系)消火剤と、ハロゲン元 素(臭素、フッ素など)、炭素、水素の化合物であるフッ素 系(ハロゲン化物系)消火剤に分類される。さらに、フッ素 系消火剤は、臭素(Br)を含むものと臭素を含まないもの に分類される。 現在、国内で使用されているガス系消火剤の種類とその 物性を表―1に示す。
イナート系消火剤の消火原理は、不活性ガス(窒素、ア ルゴン、二酸化炭素)により、空気を希釈する酸素希釈作 用と不活性ガスの炎からの吸熱作用との二つの作用による もので、後者の作用は、比熱の大きい不活性気体ほど熱容 量が大きくなるので、消火効果カシ大きくなる。 フッ素系消火剤の消火原理については、多くの研究者に より、そのメ力ニズムについて研究されているが、一般的 には、臭素(Br)を含むフッ素系消火剤は、構成原子の一 つである臭素が燃焼反応の化学的抑制に重要な役割を果た しており、また、臭素を含まないフッ素系消火剤は、その 構成要素であるトリフルオロメチル基(CF3−基)が、前述 の臭素と同様に、燃焼反応の化学的抑制作用に関与してい るとされている。 (3)消炎濃度 ガス系消火剤の消火性能を表す指標の-・つである消炎濃 度は、この値が小さいほど消火効果が高いことを意味す る。消炎濃度については、さまざまな研究機関により研究 されているが、測定方法の一つにカップバーナ法があり・ 国内では、FR1(消防研究所)タイプカップバーナ装置によ るデータが基準となっている。各消火剤の消炎濃度を、 表‐1に示す。 (4)安全性 a 二酸化炭素 ニ酸化炭素については、従来からその危険性について指 摘されているが、その本質的な危険性については案外認識 されておらず、一部には二酸化炭素自体の中毒性と、酸素 欠乏が混同されているところもある。二酸化炭素の危険性 は、二酸化炭素自体の中毒性によるもので、少量の二酸化 炭素でも条件によっては危険性がある。二酸化炭素の濃度 と人体への影響を表一2に示す。
IG-100、IG-541は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス の単体または混合体の消火剤である。窒素およびアルゴン は、その気体のみの作用では二酸化炭素のような人体に対 する危険性はないとされている。しかし、これらの消火剤 は、消火に必要な消火剤濃度が高く、酸素濃度が12〜13 %程度となるように設計されている。酸素濃度が12〜13 %の状態は、一般的には低酸素領域とされており、文献に よると呼吸の乱れ、判断力の低下などがみられるとされて いるが、短時間の活動(避難)は可能である。 NFPA 200114)には、消火設備としての酸素濃度の制限に 関する数値が示されており、この値を表−3に示す。
c フッ素系新ガス消火剤 ハロン1301を含むフッ素系消火剤自体(生ガス)の人に 対する安全性については、一般的にはLC50または ALC、NOAEL、LOAEL値などで表されている。ここで は、NFPA 2001によるハロン1301、HFC-227 ea、HFC- 23についてのこれらの値を表−3に示す。 ハロン1301を含むフッ素系消火剤は、消火剤自体の毒 性は低いが、消火時に火炎にさらされると、有害な消火剤 自体の分解ガス(熱分解生成物)が発生することが知られて いる。その分解ガスの種類は、ハロン1301は主にフッ化 水素と臭化水素、ハロン代替消火剤は主にフッ化水素であ り、これらの分解ガスの人に対する許容濃度は数ppmと されている。しかし、このわずか数ppmの濃度でも特有 の刺激臭があり、逆にこの性質は区画内へ進入しようとす る人に対する自然の警告手段ともなりうる。 消火時の分解ガスの発生量については、同一条件でフッ 化水素のみを比較をすると、ハロン代替消火剤の場合の発 生量は、ハロン1301の場合の数倍程度とのデータもある が、その発生の程度は、燃焼規模、消火剤の放射時間(消 火時間)、消火対象となる可燃物の種類などの条件により 異なるとされている。
(5)環境性 環境性については、前述のオゾン層に対する影響のほか に、最近地球温暖化への関与についても関心が高まってい る。ガス系消火設備の地球環境への影響に関する基本的な 特性を表−4に示す。 |
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