平成30年度空気調和・衛生工学会大会(名古屋)
オーガナイズドセッションのご案内

オーガナイズドセッション①
次世代建築環境CFDパーツの研究開発とBIM連携環境シミュレーションへの応用

日 時 平成30年9月12日(水)9:20~11:40
会 場 B204教室(H会場)
概 要
 当小委員会では,熱負荷計算や気流のCFD (数値流体解析) において,従来は都度入力していた空調機器や吹出し口などの境界条件を,CFDソフトウエアベンダを超えた共通フォーマットによるCFDパーツとして初めて部品化し,学会ホームページで公開した。この取り組みにより,建築設計への環境シミュレーションの活用を推進し,さらにその先には,建築設計における環境部門の意匠部門と対等なレベルへの地位向上を狙っている。
 一方で,吹出し気流性状に関する主要な指標の再現精度が課題として明らかになったことから,この再現精度を高めた次世代パーツの研究開発を行ってきた。併せて,環境シミュレーション推進の立場から,BIMデータから熱負荷計算およびCFD解析への連携に必要な情報の抽出および共有化を図り,CFDパーツと併せてBIM−環境シミュレーションのワークフローの確立を図る取組みを推進している。本オーガナイズドセッションではこれらの成果を広く発信することで普及を図るとともに,CFDパーツを軸とした環境設計へのBIMおよびシミュレーション技術の活用に関して活発な意見交換を行いたいと考えている。

 

オーガナイズドセッション②
冷暖房熱負荷の簡易計算法に関する研究

日 時 平成30年9月12日(水)12:20~15:50
会 場 B401教室(I会場)
概 要
 冷暖房熱負荷の計算は、空調の基幹であるにも拘らずその手法の細部には不明なことが多い。本学会規格の冷暖房熱負荷簡易計算法は2009年に大改定を行い諸数値の見直し、簡易計算法の充実、年間熱負荷計算法の追加が行われた。しかし、昨今の建物条件や室使用条件の変遷、東京に偏らない日本各地の計算への適用などを再検討すべく、2014年4月に改訂小委員会が立ち上げられた。旧規格では日本各地の計算に対して東京の計算結果に係数をかけて全国の熱負荷を求めていたが、それではあまりにも地方の計算精度が落ちることを勘案し、全国均一の精度で熱負荷を求められるように審議した。その結果、各都道府県県庁所在地47地点においては同一の精度で熱負荷推定が可能になるようにした。それらの値の算定は年間非定常熱負荷計算に基づくものとし、推計学の実験計画法を適用し、断熱厚み、窓面積、庇、等々の設計要因を取り上げそれらの水準が実用的な範囲の幅を変化しても最大熱負荷、年間熱負荷が求まるというものである。同一県内における更なる詳細な地点についても計算可能とした。また北海道の広大さと東京の建物の多様性を考え、札幌、旭川、釧路の3地点、東京、八王子の2地点をそれぞれ基準となる代表地点としより詳細に推定できるようにした。また旧規格のときと同様にエクセルプログラムを作成しよりユーザーフレンドリーに努めた。
 本オーガナイズドセッションは簡易熱負荷規格改定小委員会の4年間の活動成果をまとめたものである。本成果を基に本学会規格の改訂に繋がるよう進めていきたい。

オーガナイズドセッション③
外皮・躯体と設備・機器の総合エネルギーシミュレーションツール「BEST」の開発-BESTによる省エネ評価と各種ツールの進展-

日 時 平成30年9月13日(木)9:00~15:15
会 場 B410教室(特別会場)
概 要
 BEST(Building Energy Simulation Tool)は、2008年3月に初版プログラムが発表され、その後毎年バージョンアップを行い今年で丁度10年が経過したことになる。その間、種々の計算機能拡充を進め、また一般ビルの省エネルギー計画、住宅計画のためのツールなど、用途別に利用し易さを追求したユーザーインターフェースの開発公開も行ってきた。本ツールは建築のみならず空調、衛生、電気、コジェネ、蓄熱、蓄電を統合したプログラムとなっており建物全体のエネルギー消費量が求まると同時に室内環境の評価も行える稀有な存在である。アカデミック会員には無償公開されている。本年は、BESTの特徴的な計算機能を利用する省エネルギー評価と省エネルギー基準対応版、住宅版、専門版の進展を報告する。本セッションに参加すると、
・建築・設備のシミュレーションの最新動向と将来展望を理解できる。
・シミュレーションでZEBやZEHの検討をするときの注意すべき点を把握できる。
・シミュレーション解析の限界やシミュレーションできない事象を知ることができる。
・全15報の発表・討論に参加もしくは聴講することによりシミュレーションの価値を創造できる。

オーガナイズドセッション④
建築設備における安心・安全につながる施工・保全の信頼性とは

日 時 平成30年9月13日(木)13:00~16:40
会 場 B401教室(I会場)
概 要
 施工・保全委員会は、建築設備における施工段階及び運用段階におけるリスクを抽出し、その適切なマネジメントによるリスク回避についての調査・研究を積み重ねてきた。
 従来、フレキシビリティと言われていたものがレジリエンスという言葉に置き換わりつつあるが、建築設備の施工および維持保全における信頼性をどのようにつくり込んでいくのか、という本委員会のテーマは変わっていない。
 今回のセッションでは、SDG’sや働き方改革という動きのなかで、施工に関わる工事施工者の安全にも視点を向け、従来行われてきたモノだけを対象とするのではなく、モノを生み出すヒトの安全にも視点を置いた内容となっている。
 講演は、この2年間に終了した6小委員会及び現在進行中の6小委員会から11報(中間報告3件含む)を報告する。内訳は次のとおりである。
 A)トラブル情報活用に関する成果から1報
 B)BCM(Business Continuity Management)に関する成果から2報
 C)建築設備の施工における熱中症リスク回避手法に関する成果から4報
 D)管掌小委員会の中間報告3報


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