公開講演会(高知)
オーガナイズドセッション・ワークショップのご案

  

オーガナイズドセッション①
タイトル ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の先進的取り組み
日 時 平成29年9月13日(水)10:00~15:00
会 場 教育研究棟 C101教室(特別会場)
概 要

 近年、エネルギー資源保護・地球温暖化防止の観点から、再生可能エネルギー活用などにより、建築物のエネルギー消費量をネットでゼロにするZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の早期実現が国際的に期待されてきています。特に日本では、東日本大震災以後、エネルギーセキュリティの観点から、建築・都市のエネルギー自給(自立)の必要性が強く認識され、ZEBに関する注目が高まってきています。
 空気調和・衛生工学会では、2012年策定の21世紀ビジョンの中で、2030年までの「ZEB化技術の確立」、2050年までの「関連分野のゼロ・エネルギー化完全移行」への圧倒的な寄与を重要テーマと位置づけ、空気調和設備委員会ZEB定義検討小委員会を発足、ZEBの定義や評価方法について、国内外の動向を踏まえた議論、検討を重ね、ガイドライン(SHASE-G-0017-2015)の発刊に至りました。さらに、2015年からは、ZEB実現可能性検討小委員会として活動を継続、国内のベストプラクティス調査を実施し、先進的な事例を国内外に発信し、ZEB普及の一翼を担ってきました。
 本オーガナイズドセッションは、これらの活動成果の中から、特に先進的な事例について、オーガナイズドセッションによる報告を行い、広く社会への情報発信を行うとともに、参加者の意見等を今後の委員会活動に生かしていく予定です。

オーガナイズドセッション②
タイトル 外皮・躯体と設備・機器の総合エネルギーシミュレーションツール「BEST」の開発
-住宅版の登場と外気導入制御他への応用-
日 時 平成29年9月14日(木)9:00~16:35
会 場 講義棟 K201教室(H会場)
概 要

 BEST(Building Energy Simulation Tool)は、2008年3月に初版プログラムが発表され、その後毎年バージョンアップを行い今年で丁度10年が経過したことになる。EnergyPlus(E+) もそうであったように初版発表後10年でツールとしての円熟期が到達する。
 本ツールは建築のみならず空調、衛生、電気、コジェネ、蓄熱、蓄電を統合したプログラムとなっており建物全体のエネルギー消費量が求まると同時に室内環境の評価も行える稀有な存在である。
 アカデミック会員には無償公開されているし、建築物省エネ法の計算に関しては、誘導基準認定用の機能追加、国交大臣が認めるプログラムを目指す調整を行った。新規開発した住宅版は、住宅用設備機器の計算機能の装備、各種データベースの整備、グラフィカルな入出力、エネルギーのほかに室内環境の評価にも利用できるようにした。そしてこれからのZEB検討に必須である潜顕分離空調への適用、自然換気の他外気冷房・最小外気量制御・全熱交換器等の高度な外気導入制御機能が追加され、省エネ要因が複雑に絡み合う交互作用効果がより適切に評価され、最適解を見出すことを容易にしている。
 19報の発表に対して活発な意見交換ができることを楽しみにしている


ワークショップ①
タイトル 21世紀ビジョン・プラスの策定に向けて
日 時 平成29年9月14日(木)14:10~16:40
会 場 教育研究棟 C101教室(特別会場)
概 要

 空気調和・衛生工学分野における近未来対応のビジョンを示すSHASE21世紀ビジョンは,2010年度より会長直轄の特別委員会のミッションとして検討が開始され,2012年3月に報告書が公開されている。作業を開始した時期は,リーマンショック直後で経済が停滞し,空気調和・衛生分野も先行きの見通しが立ちにくい状況にあたったこと,また取りまとめ直前に東日本大震災が起こり,原発の事故に伴う計画停電など,エネルギーの安定供給に関する不安が高まる環境でもあった。 
 その後,5年間を経たが,この短期間の間にも経済環境の大きな変化があり,またオリンピック誘致に伴う建設需要の増加など,空気調和・衛生工学をとりまく状況が大きく変わったことは否めない。2017年は空気調和・衛生工学会設立100周年を迎える節目の年でもあることから,以前の21世紀ビジョンを点検し,現在の状況に適合するべくアップデートすることを目的とした21世紀ビジョン・プラス委員会が100周年記念事業における提言部会のミッションとして立ち上げられた。 
 委員会ではビジョンで行った提言に対するその後の学会の対応について精査し,必要となる目標の修正や新たな目標設定を行った。また,この5年間に今後の21世紀の我が国を支える新たな注目技術を空気調和・衛生工学分野としてどのように取り上げていくべきかについての議論がなされた。
 本ワークショップではこのようなプロセスを経てアップデートした21世紀ビジョンを広く会員の皆様に知っていただくとともに,年末のとりまとめに向けて幅広くご意見を徴収したいと考えており,関心のある皆様の多数の参加を期待する。


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