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平成14 年5 月14 日

正会員,学生会員および賛助会員各位

事業理事

HASS の名称変更と新規格体系構築の提案について
―スタンダード・ガイドライン・マニュアルの位置付け


 本学会の規格“HASS ”に対しては,従来さまざまな意見が寄せられてきました。
 例えば,@ASHRAE STANDARD に比べ名称・仕組みがわかりにくい,あるいは,A 内容構成に極めて高い水準が求められるため,HASS 作成が敬遠さ れ,学会の知的財産が十分に社会発信されていない,などです。
 このような状況を鑑み,学会活性化実施計画(略称:アクションプラン21 )に基づき事業理事(高草木明)を主査として設置された事業運営委員会HASS 等 整備計画小委員会は,“HASS の充実”(アクションプラン21 課題)に向け種々の検討を進めてまいりました。検討の結果,“ガイドライン等HASS に準じる規 格”としての“ガイドラインおよびマニュアルの位置付け”,ならびに“HASS の名称変更”を提案するに至りました。
 以下に本提案の趣旨を説明いたします。
 会員各位におかれましては,下記小委員会提案をご一読いただき,提案事項についてご意見を賜りたくお願い申し上げます。特にHASS の名称変更につい ては賛否両論が予想されますが,いずれにいたしましても,その論拠をご提示いただければなお幸いです。
 ご意見は,平成14 年9 月末までにお送り願います。
 送付方法は,E-mail (secretaryg@shase.or.jp ),FAX (03-3363-8266 ),書簡のいずれでも結構です。


ガイドライン・マニュアルの位置付けと
HASS の名称変更の提案

事業運営委員会
HASS 等整備計画小委員会


1 .HASS に準じる規格の提案
 1 .1 背景
 本会の研究委員会における調査研究成果は,内部資料にとどまることが多 く,十分活用されていないものもある。この現状を打開する必要がある。
 調査研究成果は,今後,引用許諾などに留意したうえでスピーディーにリ リースされるべきであるが,更に,その成果の会員技術者による活用推進の ためには,任意の形態の報告書にとどまらず,共通の技術資源として利用し やすく整備されて提供されることが望ましい。
 共有の技術資源としての整備という観点からは,以下のような条件が挙げ られる。
 1 ) 標準的な技術手段・方法として,あいまいさがなく明確に記述されていること
 2 ) 記述方法に統一性があること
 3 ) 実務において個別の判断をほとんど要さず適用可能であること
 4 ) 内容について一定のコンセンサスが得られていること
 5 ) 学会によって管理され,時期が至れば改定を行うこと
 JIS の作成要領に倣うことなどによって上記のような条件を満たし,理事 会の審議によってオーソライズされている当学会の発信情報がHASS (Heat ing ,Air-Conditioning and Sanitary Standard )である。HASS は制定まで の条件の厳格さのゆえに,学会規格としての信頼性・普遍性を獲得している が,反面,その作成には多大な労力を要し,その体系化は進んでいない(平 成12 年度HASS 体系化検討小委員会報告)。
 1 .2 HASS に準じる規格としてのガイドライン,マニュアル
 学会規格の現状に対し,学会活性化を目指すアクションプラン21 におい て,従来のHASS の拡大に加えて,研究委員会成果に基づくHASS に準じ る規格の新設が提案された。これは上記1 )〜4 )の条件を緩く設定し,研究 委員会成果の共有技術資源化をスピーディーに達成することを目指すもので ある。
 “HASS に準じる規格”として,ガイドラインとマニュアルを新たに位置付 ける。ガイドライン,マニュアルは現有のHASS と同様に番号によって管 理〔上記条件5 )〕する。
 これらを一つに統合することも考えられるが,作る側の意識において区別 される場合が多い。一方,3 種類だけであるから,使用する側に混乱が生じ るとは考えにくい。
2 .ガイドライン,マニュアルの特徴付け
 2 .1 研究委員会成果の扱い
 研究委員会成果のうち,実用性に優れ,標準化して共有の技術資源とする に適当と考えられる方向性をもつものは,スタンダード,ガイドラインまた はマニュアル化の対象とする。これらは,学会が番号を付与して管理する対 象とする。基礎研究段階で実用性が低いもの,または事例集,教育用資料な ど標準化になじまない成果は委員会成果報告として取りまとめる。委員会成 果報告は学会内部資料とせず,簡易出版などでリリースすることが検討され ている。
 2 .2 HASS との比較によるガイドライン,マニュアルの特徴
 現行のHASS (スタンダード)の性格,制定方法などは変更しない。HASS は,実用性,完成度が高く,抽象的表現が排除されており,内容についての 排他性が高い(学会としての唯一の推奨)という性格を持つ。これとの比較に よってガイドライン,マニュアルの特徴付けを以下に示す。
 (1 )ガイドライン,マニュアル共通
 ガイドライン,マニュアルとも,学会研究委員会成果のうち,標準化して 共有の技術資源とするに適当と考えられる方向性を持つものであって,スタ ンダードにたるまでの技術の成熟を待たず,早期に会員にリリースするだけ の意義を認められるものを対象とすることができる。これらの作成にあたっ ては,前項,共有技術資源としての文書の備えるべき条件のうち,1 )〜4 )を 尊重することを求めるが,現段階での内容に含まれるあいまいさをある程度 許容し,内容についてのコンセンサスは,スタンダードに求められる水準に まで至ることを課さないものとする。
 (2 )ガイドライン
 ガイドラインの内容における目的は,性能向上など業務に与えるべき付加 価値に関するものや,評価基準,目標グレードの設定など業務の条件に関す るものなど,学会会員の業務領域において,具体的に貢献する事柄を広く対 象とする。先々,スタンダードへの移行が見込まれるもののほかに,使用者 個々の技術力や判断に負うところの大きい技術(例えば,省エネルギー技 術,LCM など)に対して基礎的な方向性や基準を与えるものなど,抽象的記 述を大幅に伴うゆえにスタンダードたり得ないものも対象となる。また,必 ずしも学会として唯一の推奨方法などであることを要さない。
 (3 )マニュアル
 マニュアルは業務遂行のための一連の手法,手順を示すものとする。抽象 性は排除する。先々,スタンダードへの移行が見込まれるもののほかに,多 様な方法が考えられる技術(例えば,環境負荷削減対策)において,一つの具 体的な手法,手順を提示するもので,他の手法,手順も尊重するという立場 のためにスタンダードにはできないようなものも対象となる。
 図(会告3 上)にスタンダード,ガイドライン,マニュアル,およびこれら として規格化されない研究委員会などの成果の区別を示す。
 2 .3 ガイドライン,マニュアルのスタンダードへの移行
 ガイドラインまたはマニュアル化された技術は,継続的研究や実務への適 用実績などにより,スタンダード化が可能と判断されるに至れば,現行の HASS 作成と同様の作業,手続きによりスタンダードに移行させる。なお, スタンダードはガイドライン,マニュアルよりも標準化の程度という観点か らは上位とするが,技術内容の評価とは関係しない。
 2 .4 ガイドラインとマニュアルの作成,制定手続きなど
 (1 )ガイドライン,マニュアルの作成
 ガイドラインは,目的,適用範囲,技術方針を示したうえで,これらに応 じて,実務への適用の方法が基準値,図などとともに記述される。必要とす る作業手順は,ガイドラインに織り込んでもよいし,マニュアルとして別途 定めてもよい。
 マニュアルは,目的,適用範囲を明示したうえで,作業手順に沿って基準 値,図などとともに記述される。
 書式形態は,多様な内容に柔軟に対応し得るようごく緩く規定する(今後 検討)。なお,両者とも学会により査読が行われる。
 研究委員会成果をガイドラインとするかマニュアルとするかの判断は,原 則として当該委員会にゆだねる。
 ガイドライン,マニュアルとも本文は原則100 頁以内程度とする。また, 解説資料編を付帯させることができる。
 (2 )ガイドライン,マニュアルの解説・資料編
 ガイドライン,マニュアルの解説・資料編の内容は以下とする。
 1 ) 理論,参考データ,事例,参考文献,その他
 2 ) コンピュータプログラム(原則としてマニュアルの付属物とする)
 (3 )制定手続きなど
 ガイドライン,マニュアルの制定手続きなどは別途定めるところによる。
3 .学会規格類の名称
 学会規格類は,その作成・制定主体を明確に示すため学会名を冠すべきで ある。学会名は規格類の内容についての信頼性の証であり,知的所有権の所 在を示すものでもある。また,会員および関連団体などが学会名SHASE (The Society of Heating ,Air-Conditioning and Sanitary Engineers of Japan )に 触れる機会が増加して,学会の存在感がより高まることが期待される。
 HASS の前身は衛生工業協会時代のDSS (Domestic and Sanitary Stan dard )である。空調設備が加わり昭和24 年ごろ,HASS と改められた。以 来50 余年にわたり使用され浸透した名称ではあるが,慣れ親しんだHASS 名称への会員の愛着や呼びやすさの利を考慮しても,上記の名称変更論の理 になお優位性があると判断される。
 よって,アクションプラン21 に基づく学会規格類の枠組み見直しを機と し,HASS をSHASE-S に変更し,ガイドラインをSHASE-G ,マニュアル をSHASE-M とする。SHASE-G およびSHASE-M は学会技術文書として 分類する。
4 .SHAS-P
 番号付与によって管理されるべき学会発信情報は規格類に限らない。今 後,空調・衛生技術にかかわる学会の環境憲章,倫理綱領,会長声明など, 学会のポリシーを広報し,学会のプレゼンスを高めるべきことが,アクショ ンプラン21 に盛り込まれている。これをSHASE-P として,位置付けを明 確化する。
5 .学会技術系管理文書の体系
 以上より,学会技術系管理文書の体系は,下表のようになる。
6 .HASS のSHASE  S への名称変更の周知と暫定処置など
 1 ) 会誌会告,ホームページなどで周知する。周知期間を2 年間とし,こ の間は混用を積極的に排除することをしない。
 2 ) 現在,学会がストックするHASS 図書は販売の都度,表紙のみシー ルによって対処する。
 3 ) HASS の引用などのある学会出版物は改訂まで対処しない。
 4 ) ホームページ,学会パンフレット類におけるHASS を変更する。


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