〔解説〕SARSと建築環境工学的課題
吉澤 晋
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.329〜334

 SARSは2002年11月に中国で発生したSARSコロナウイルスの感染による重症呼吸器疾患であり,飛沫感染・接触感染によって人から人への感染が中心とされる。2003年4月ころピークを迎え,8月にはほぼ終息している。建築環境工学あるいは建築設備の点からの課題としては,感染メカニズムに関連した問題,人からの発散,隔離,室の気密性,室内における不均一分布を考慮した汚染被ばく低域を図る体系などが必要である。

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〔解説〕大気中の感染性微生物とバイオセーフティ管理
小菅旬子・高鳥浩介
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.335〜340

 屋内大気中に存在する感染性微生物を的確に制御するためには,まずその微生物の特性,すなわち発育条件,汚染源,感染経路,分布状況などを正確に把握する必要がある。本稿では,呼吸器を介す感染性疾患の例を挙げながら,大気中の感染性微生物の制御に必要な情報を紹介した。

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〔解説〕浮遊微生物の殺菌・除菌法の最近の話題
阪田総一郎
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.341〜346

 SARS,新型インフルエンザ,バイオテロなど,空気感染に対する人々の不安感は日々高まりつつある。空調設備において,実用化されている殺菌・除菌技術を取り挙げ,そのメカニズム,評価方法,評価事例を解説する。インフルエンザウイルス活性を調べた従来研究は,空気感染事故防止のため,平面に塗布したウイルスを対象に行われた。著者らのグループは,バイオセーフティレベル2の陰圧チャンバ内の浮遊インフルエンザウイルスの活性を調べた。人間の模擬粘液飛沫に潜んだウイルスは,1時間以上活性を失わないまま空気中に浮遊した。

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〔解説〕除菌技術の最近の話題
岡本正明・武田隼人
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.347〜353

 新型肺炎SARSやMRSAなどによる感染報告がなされるなか環境衛生に対する関心が高まり,除菌,抗菌・殺菌対策は一般空調においても必要不可欠な技術になりつつある。ここに,空調における除菌技術として,エアフィルタ,プラズマ放電,光触媒を取り挙げて説明する。
 特に,エアフィルタによる除菌技術は,空調において重要であると思われるため実例を挙げて説明する。

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〔解説〕医療・福祉施設における感染対策事例
黒田 渉
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.355〜362

 レジオネラ属菌による疾患,MRSAによる院内感染,O157による食中毒,さらに最近ではSARSのように新感染症が出現し,医療・福祉施設ではさらなる清潔管理および感染症対策が求められている。1999年4月にいわゆる新感染法が施行され,旧来の慣習的な感染管理の考え方を見直し,感染防御の基本と感染経路別の新しい知見に基づいた合理的な管理基準が取り入れられた。第1種感染症対応病室のように特別な感染症対策を行う場合の対応策だけでなく,中規模病院での日常の運用を含めた対策例を紹介する。

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〔解説〕感染症対策を行った病院設備の事例紹介
金 泰彦
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.363〜372

 設計実務における感染症対策事例,手法,病室における実測検証などを紹介し,設計上の留意点,施設基準への要望,有効な空調換気システム提案について述べる。

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〔解説〕病院における感染症対策
安岡 彰
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.373〜376

 MRSAやSARSなどにより病院感染対策がよりいっそう注目されている。対策の基本は感染経路を把握し,それを普遍的に遮断できる設備や対策を講じることにある。感染ルートとしては接触感染,飛沫感染,空気感染があり,それぞれに応じた感染対策があるが,基本となるのはすべての患者は感染性があるかもしれないとして対処する標準予防策の遵守である。病院設備として期待することは感染対策をサポートするような,ゾーニングの理解,気流や動線の工夫,清掃の容易さや消毒に耐えうる構造や材料の使用といった点である。

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〔解説〕中国におけるSARS対策
柳 宇・池田耕一・吉澤 晋
空気調和・衛生工学 78-5(平16-5) pp.377〜385

 本報では,筆者らが中国の現地で行った調査およびWHO(World Health Organization,世界保健機構),CDC(Centers for Disease Control and Prevention,疾病対策センター),香港衛生署などが公表した文献に基づいて,まず,中国の症例数が最も多い北京市と,人口1600万人であるにもかかわらず症例数がわずか8例の上海市におけるSARS流行期間中の状況と対策ならびに学会・専門家の役割について紹介する。次に,代表的な三つの感染事例について述べる。最後に,建築物衛生の観点からのSARS予防について触れる。

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〔海外文献紹介〕
ある事務所・図書館ビルでの室内空気質の評価:第1部 試験方法
福山博之 訳
空気調和・衛生工学78-5(平16-5)pp.401〜409

 8階建てのある事務所・図書館複合ビルで行われた室内空気質の評価に関する報告で,本稿はそのテスト方法に関するものである。結果は別の論文で発表されている。この評価項目には,換気回数,気流分布,排気の再連行,熱的快感,科学汚染物質(CO,CO2,NO2,TVOC,HCHO),微粒子(浮遊,沈降),生物起源の汚染物が含まれている。本稿では,このビルで行ったこれらの測定法が述べられてたり,その他のビルにも応用できるのではないかといっている。

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