〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
自動車の環境技術と建物空調
田辺新一
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.3〜4

 最近の自動車の大きなテーマは,“環境と IT(情報技術)” である。環境を抜きに自動車の生産ができないような時代になっている。本特集の巻頭言では,自動車の温熱環境,空気環境の話題に関して最近の話題を述べた。

目次に戻る


〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
自動車の空調(その1)自動車車室内の温熱環境評価
松永和彦
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.5〜11

 自動車車室内の温熱環境評価に関し欧州でも注目されておりISO/TC 159(人間工学)/SC 5(環境人間工学)/WG1(温熱環境)の専門家委員会は,新しいIS(国際標準規格)として,ISO NP 14505:Evaluation of the thermal environments in vehicles(車室内の温熱環境評価)の作成を行っている。このような動きに対して,日本の自動車業界でも自動車車室内の温熱環境評価に関して提案を行っている。本稿では,自動車車室内における温熱環境評価法の紹介を行う。

目次に戻る


〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
自動車の空調(その2)自動車の空調設計における計算予測技術
郡 逸平
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.13〜20

 自動車の空調システムは,車両メーカーと部品メーカーとが役割を分担して開発している。これまでは,各々の開発過程の時間的な制約や情報交換の不足が開発効率向上の妨げとなっていた。しかし最近では,CAD設計の普及により,デジタルデータを相互にやり取りして,性能の計算や検討を同時に行うことが可能になってきた。こうしたなかで,新車開発の期間短縮に対応するためにも,空調性能に関する計算予測技術の進展に対する要望がますます高まってきている。そこで本稿では,最近の自動車空調の開発に適用されている計算予測技術を紹介する。

目次に戻る


〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
自動車の空調(その3)においと自動車室内空気質
佐藤重幸
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.21〜26

 車室内空気質は,居住環境における室内空気質と同様,現代の日常生活を健康的に,快適に過すうえで重要な課題である。
 この報告では,車室内空気質の以下の点について解説した。
 1) 車室内空気質における嗅覚特性
 2) 内装材料から放散される揮発性有機化合物
 3) 車室内空気質の測定方法

目次に戻る


〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
自動車の空調(その4)最新の自動車エアコンシステムと制御技術
原 慎一・岩間伸治
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.27〜34

 近年,快適性に関する関心の向上から,自動車におけるエアコンの重要性が高まってきている。そのため,自動車エアコンには,従来の冷暖房機能に加え,快適性,省エネルギー,環境などに関して技術開発が進められている。
 本報告では,自動車エアコンにおけるシステム技術,制御技術について,快適性,環境の面から最新技術を報告する。

目次に戻る


〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
鉄道車両空調の実際と近年の動向
菅原作雄・堤 好一郎
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.35〜39

 人々の快適な空間への要求は大きく,移動空間である鉄道車両に及んでいる。しかし,他の一般環境に比べ,鉄道車両環境への課題は明確ではない。そこで,東京―長崎間の鉄道車両環境の測定を実施し,鉄道車両環境の特殊性を示した。さらに,ファジィ理論を適用した鉄道車両環境の新しい環境制御方法,冷凍サイクルのオンオフにより生じる課題,鉄道車両内空気質環境について述べる。

目次に戻る


〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
飛行機の空調
安野幸志
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.41〜44

 最新鋭の777型機を例に挙げて,旅客機の空調システムについて紹介する。777は,その制御システムの構成において,従来の航空機と一線を画す部分を有するが,空調システムの根幹をなす部分は他機種と同等である。本稿では,空調システムの概要を示すとともに,昨今話題となっている機内環境面についても言及した。

目次に戻る


〔解説〕
特集/乗り物の空調最前線
宇宙ステーションの空調国際−宇宙ステーション日本実験棟(JEM)の空気調和システム
上妻充幸
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.45〜51

 日本実験棟(JEM)は,国際宇宙ステーション(ISS)の構成要素の一つであり,通常2名の搭乗員が無重量環境を利用した科学実験などを行う。JEMの船内実験室,および船内保管室は搭乗員の生命を維持し,地上と同じように宇宙服なしで快適に活動ができるための環境制御機能を有し,なかでも空気調和機能は空気循環,温湿度制御,および微粒子/微生物除去の機能を有している。本稿では,ISSでの空気調和を含む環境制御機能の概要,および日本初の有人実験施設であるJEMでの空気調和装置の開発・検証結果について紹介する。

目次に戻る


〔海外文献紹介〕
サブステーションでの熱交換器の接続−地域暖房網での戻り温度の低温化の手段
谷野正幸 訳
空気調和・衛生工学 78-1(平16-1) pp.65〜68

 本報では,地域暖房システムにおける戻り温度の重要性を説明している。ここでは,サブステーション(温熱の受入れ設備)での3種類の熱交換器の接続方法について,温度や流量の運転状態をシミュレーションして,熱損失,輸送コスト,およびコージェネレーションプラントの発電に対する戻り温度の影響を評価している。このような接続方法の経済的な優劣を定める熱需要が存在し,この限界の熱需要を現有の技術や経済的データに基づいて定めることを推奨している。
 なお,本訳出は“Association of Energy Engineers”から,許諾を得て行いました。

目次に戻る