〔解説〕
特集/空調シミュレーションの最前線
空調シミュレーションの現状と今後の展望
石野久彌
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.975〜981

 空調分野にシミュレーションが使われるようになってから,35年経過したといえる。そこで,現状を概観し,今後を展望して欲しいとの要望をいただいた。ここでは,シミュレーションプログラムの意味づけから始まり,どういうプログラムが今使われているか,どういう問題点があるか,今後どういう方向へ進むのであろうかについて,まとめた。特に,計算精度に対する考え方,間違いの少ない目的に応じたプログラムのつくり方についてかなり詳しく記述した。

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〔解説〕
特集/空調シミュレーションの最前線
熱負荷・熱環境シミュレーションの現状
郡 公子
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.983〜993

 ガラス建築において窓の設計は重要である。本稿では,ガラス建築の窓・空調システムの計画・設計をサポートする目的で行ったシミュレーションの例を紹介する。窓側の快適な熱環境を保証するための熱環境シミュレーション,設計に必要な窓の熱性能値シミュレーションの結果を示した。


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〔解説〕
特集/空調シミュレーションの最前線
空調のエネルギーシミュレーション
猪岡達夫
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.995〜1000

 本報では,空調システムのエネルギーシミュレーションプログラムとして,HASP/ACSS/8502(以下ACSS),BECS/SER,FACESの三つのプログラムについて解説する。ACSSが原形となるプログラムであり,他はACSSから派生したプログラムである。BECSは,省エネルギー法のCEC/ACの計算のためのシミュレーションプログラムであり,入力のためのGUIを備える。FACESは,企画・基本設計段階で使えるように,GUI・自動設計・経済計算・環境評価・帳票出力などの機能を備えたプログラムである。
 本報では,エネルギーシミュレーションの目的,開発の背景,熱負荷とシミュレーションの関係,システムの構成,機能,解法などについて述べる。

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〔解説〕
特集/空調シミュレーションの最前線
気流シミュレーションの現状
諏訪好英
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.1001〜1007

 気流シミュレーションは建築物の計画・設計段階における現象予測手法として多く用いられている。本報では,複雑形状問題,複合現象問題への応用,実験・実測技術との融合などの観点から,気流シミュレーション技術の現状と課題およびこれに対し行われているアプローチについて示した。

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〔解説〕
特集/空調シミュレーションの最前線
動的シミュレーションの現状
丹羽英治
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.1009〜1017

 近年,空調システムのダイナミックシミュレーション (動的シミュレーション)が設計あるいは運用段階における性能解析ツールとして注目されてきている。本稿は,米国NISTで開発され,日本の研究者グループによって整備されてきた動的シミュレーションプログラム“HVACSIM”を取り挙げ,動的シミュレーションとは何か,動的シミュレーションを使って何ができるか,動的シミュレーションにはどのような役割が期待されているかなどを概説する。また,再現性の確認を目的として,幾つかの実在建物,システムを詳細にシミュレートした実施例を紹介する。

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〔解説〕
特集/空調シミュレーションの最前線
海外におけるシミュレーションとソフトウェアの現状
内海康雄
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.1019〜1024

 近年の空調関連のシミュレーションは,従来の機器容量や熱負荷計算のほかにCFD計算の利用も珍しくはなくなってきた。ここでは,シミュレーションとソフトウェアについて,計算モデル,つくり手と使い手,用途から分類・整理した。次に,欧米を中心にした海外のシミュレーションの現状について,IEAの新しいシミュレーション用ソフトウェアの検証方法の研究委員会(IEA/SHC34/43),EUとしての建物性能についての空調シミュレーションの位置づけ,EUにおける質点系モデルとCFDを組み合わせるプロジェクトSTEDIなどの話題を紹介する。

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〔海外文献紹介〕
LEED 認証建物の性能検証:オーナーが知るべきこと
高瀬知章・小林伸和
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.1035〜1040

 本報告は,毎年米国で大規模に行われるビルコミッショニング全国会議(National Conference on Building Commissioning)に昨年発表された,設計から建設段階でのコミッショニング(以下,本文では性能検証と訳す)に関する論文の一つである。米国では,ライフサイクルにおいて,地域的・地球的規模での環境に与える影響を最小限とする建物をグリーンビルディングと称し,その環境評価の格付手法としてLEEDが用いられている。さらに,LEED認証を取得するために,建物設備の性能検証を受けることが義務づけられている。本文では,グリーンビルディングの設計および建設における,性能検証活動と性能検証責任者の役割について記述されている。

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〔海外文献紹介〕
シックビル概観
福山博之
空気調和・衛生工学 77-11(平15-11) pp.1041〜1044

 室内空気質は,人間が洞穴に火を持ち込んだときに始まるが,一般には1976年のレジオネラニューモフィラ流行病の突発で注目された。これは,ビル関連病(BRI)の最初の認識された例であった。ところが,シックビル症候群(SBS)はBRIほどには十分に定義されていない。本稿では,WHOのSBSの定義を不十分だとして,新たに定義を考えている。ビルの苦情の快感と病状のうち,病状を取り挙げて,WHOのSBSの定義とビルの占居者との関連づけ,およびビルの占居者の苦情とビルの条件との関係づけが考察されている。

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