〔解説〕都市防災と建築設備
辻本 誠
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.419〜424

 建築物を利用する市民の立場から,地震に対する都市防災のあり方を考え,現状の建築設備における問題を指摘した。方法論として,民法上の不法行為に基づく損害賠償責任が成立するかどうか,を判断基準とし,(1)建築物にかかった地震力(実際に測定できることはまれであるが測定されたとする)が基準法の定める強度以下だった,(2)地震力はそれ以上だった,の二つのケースで建築設備の有すべき耐震性を検討し,今までの耐震設計には,建築物という商品で何を保証するのか,という視点が欠けていることなどを明らかにした。

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〔解説〕地震災害と建築設備の被害−阪神・淡路大震災における建築設備・ライフラインの被害・復旧状況
大久保泰和・金高和人
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.425〜430

 神戸市周辺を直撃した阪神・淡路大地震は,多くの人命とともにライフラインをはじめとする都市の基幹施設を破壊し,長期間にわたり都市機能を麻痺させた。本稿では,震災直後の災害の状況を振り返り,南海地震・東海地震に向けての地震対策のあり方を考える。

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〔解説〕地下街と防災・消火設備
二宮 勉
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.431〜438

 地下街の新設,増設は現在の各関連法規制の下では原則認められていない。これはもちろん,地下街が,非常時の避難,消火活動などの防災上の観点から問題の多い施設としてとらえられているからにほかならない。しかし,今や都市部において地下駐車場,地下鉄駅,あるいは地下道各構え(店舗・事務所など)とのアクセスルートとして必要不可欠な都市施設となっている状況であり,また,原則不許可であるはずの地下街も各種設置要件を満たすことを条件に新設,増設が認められ,各地で建設させている。
 ここでは,このような状況を踏まえて地下街の新設,増設時あるいはそ(遡)及時の防災設計を行っていくうえでの各関連法規とその規制内容,必要防災設備,地下街適用新技術として“ウォークスルー耐火スクリーン”,“地下街防災避難設計の安全性評価支援システム”についての概説を行い,最後に最近の実施例として名古屋栄のオアシス21(立体型都市公園)の避難・防災設備の概説を行う。

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〔解説〕給水設備の耐震設計,洪水時の排水設備の設計・対策事例
宮川 洋治
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.439〜445

 近い将来発生が予測される東海地震,種々の災害について当地域でも対応が急がれる。
 ここに,給水設備ならびに排水設備の防災対策例を示す。また,愛知県地方に起こった2000年の集中豪雨(東海豪雨)による建物内雨水進入などによる洪水の被害および対策状況を紹介する。

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〔解説〕空調設備の耐震設計・技術の事例
長田高明
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.447〜452

 地震国日本の建設設備には,いつ地震が発生しても大丈夫なように,地震対策をする必要がある。その対策には,ハードの対策とソフトの対策が必要である。ハードの対策は,建設時に“建築設備の耐震設計・施工指針”などに準拠して設計・施工することで可能となる。しかし,ソフトの対策は緊急時にいかに設備機能を維持するかである。したがって,“地震対策マニュアル”の作成と,緊急時の管理体制を明確にして,日ごろの訓練を実施することが重要である。

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〔解説〕電力における防災対策
宮澤 宏之
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.453〜456

 現代生活において,電気の重要性は従前以上に高まっており,ライフライン企業として当社が果たすべき社会的役割は増大している。
 当社は,こうした社会情勢を十分に認識し,日ごろから防災対策の強化に積極的に取り組んでいる。
 本稿では,“災害に強い設備形成”と“迅速な復旧に向けた体制の設備”をポイントとして,当社の防災対策について説明する。

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〔解説〕都市ガス供給設備の防災対策
水谷 徹・後藤忠広
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.457〜461

 都市ガス需要が年々増加するなか,都市ガスの安定供給と保安の確保は,都市ガス事業者である当社の重大な使命であり,日ごろから万全の力を傾注している。
 本稿では,都市ガス供給設備の防災対策について,設備対策,緊急対策,復旧対策をポイントとして,当社の防災対策の現状を説明する。

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〔報文〕第12回国際交流視察団報告
2003年ASHRAE冬季大会と米国における地球
環境対応建築およびコミッショニングに関する報告
柳原隆司
空気調和・衛生工学 77-6(平15-6) pp.475〜485

 われわれは第12回国際交流視察団として,1月26日から29日の4日間,米国イリノイ州シカゴで開催されたASHRAE冬季大会(92セッション,270編の論文発表)に出席することを主目的とし,米国の各種状況の調査を行った。ASHRAE冬季大会と同時に開催された第55回の展示会(AHR EXPO-2003)は,事務局情報によると登録来場者数:38,868人,展示企業数1,860社,展示場面積40,000m2であり,過去最高の記録となったとのことである。
 この冬季大会とは別に,われわれが主催する米国技術者との「低温送風技術」および「コミッショニング」に関する情報交換会を冬季大会と同じ会場で行い,多くの情報を得た。
 さらに,施設としてBACnetおよび湖水利用冷房を備えたコーネル大学,各種の省エネルギー・省資源技術を駆使したシカゴグリーンテクノロジーセンター,全米コミッショニング会議を主催するPECI社との情報交換およびコミッショニングの実施事例としての米国ホンダ社の建物を視察した。
 全体として総括してみると,以下の4つのキーワードに整理できる。1)グリーン化技術,2)コミッショニング,3)IT利用技術,4)低温送風技術。

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