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3.冷却式除湿装置 3.1 冷却式除湿の原理 冷却式除湿の原理を簡単に述べると、"湿り空気をその 露点温度以下まで冷却し、水分を凝縮水として取り除いた うえで再加熱(再熱)する"方式ということになる。 冷却器(冷却コイル)を用いて、処理空気を露点温度以下 まで冷却すれば同時に除湿も行われることから、ビル用の 空調機や家庭用のルームエアコンの場合には、空調用冷却 コイルによる冷却除湿が行われている。したがって、快適 空調のような場合には、特別に低湿度が必要とされる場合 を除き、通常の空調機とは別に除湿装置を設置することは 少ない。通常より多少低い程度の湿度を必要とする場合に も、空調機の除湿能力を高める(冷却コイルの列数を多く するなど)ことによって対応する場合が多い。 図‐1は、冷却コイルに湿り空気を通して冷却・除湿す る場合の空気の状態変化を、空気線図上に表したものであ る。 @の状態でコイルに入った空気は、コイルで冷却される が、コイル入口付近のコイル表面温度は比較的高いため、 この空気の露点温度に到達しない。したがって、絶対湿度 (x)の変化はなく、温度のみ下がり、@→ となる。しか
し、空気がコイル出口に近づくにつれて、コイル表面温度
が空気の露点温度よりも低いために、空気中の水分の一部
が凝縮して除湿が行われるため、 → となる。コイル出
口では、コイル表面温度がTsになり、出口空気はAの状
態でコイルを出て行き、絶対湿度x1よりx2まで除湿され
たことになる。Aの状態は、コイルの列数やフィンピッチ
などとコイルを通過する風速やコイル管の水速などによっ
て変化する。コイルの性能がよいほど出口空気はTsの飽
和状態点に近づくことになる。冷却式除湿の場合、前述のように、目的の絶対湿度に対 応する露点温度まで冷却する必要があるため、コイル出口 空気の相対湿度は90%程度から100%という飽和に近い 状態になる。 除湿の目的が単に空気中の水分の除去だけの場合は問題 ないが、低い相対湿度が必要な特殊空調や乾燥を目的とし た除湿装置では、適当な温度に昇温して相対湿度を下げる 必要がある。そのため、通常は加熱コイルでA→Bに温度 を上げて(再熱して)から、相対湿度も絶対湿度も低い空気 として送り出している。 冷却式除湿では、処理空気の出口露点温度が5℃程度以 下になると、使用する冷媒やブラインの温度が0℃以下に なり、コイル表面で結露した水が凍って着霜するため、何 らかのデフロスト装置が必要となる。また、デフロスト中 は冷却・除湿を停止するため、温湿度の乱れを嫌う場合に は、冷却コイルを2台あるいは3台並列に設けて、交互に デフロストをするような対策が必要になる場合もある。
冷却式除湿装置は前に述べたように大きく分けて、冷却 コイル方式とエアワッシャ方式がある。エアワッシャ方式 は、最近はほとんど使われていないので省略し、以下冷却 コイル方式の冷却式除湿装置について説明する。 (1) 簡易型冷却式除湿装置 通常市販されている業務用床置きパッケージ型の除湿機 や、家庭用の小型除湿機の構成と冷媒循環の例を図-2に 示す。 基本的には空冷式エアコンと同じで、通常は屋外に設置 する空冷コンデンサコイルを冷却コイルの後においた形と なっている。構成要素のすべてが一体のケーシング内に納 められたオールインワンタイプのコンパクトな装置となっ ており、電源を接続し、ドレン配管(家庭用はドレンタン ク)を接続するだけの簡便なものである。湿り空気は、冷 却器(蒸発器)で冷却・除湿された後、さらに再熱器(凝縮 器)で加熱(再熱)して、乾燥空気として送風される。この 型式の場合、冷却熱量よりも加熱熱量が大きいため(概略 圧縮機動力分)、吸込み空気温度よりも出口空気温度のほ うが数度高い温度となる(図‐1の空気線図において、t3>t1 となる)。
処理空気の出口露点温度が5℃程度以上の除湿装置で、 図-3にその系統図を示す。構造は、空気調和機と冷凍機 ユニットを一体化したものである。冷却コイルは、状況に よっては冷水あるいはブラインを使用する場合もあるが、 通常は省エネルギー、コンパクト化の面から図-3のよう な冷媒直膨式コイルを使うことが多い。基本的には、前述 の簡易型除湿装置と同じであるが、温湿度制御機能や省エ ネルギー対策などが採用されている。 図中の熱回収装置は、処理空気自身の冷却コイルの出入 口温度差を利用して熱回収を行う装置である。熱回収は、 冷却コイル前後に熱交換器を設け、熱媒体(水、ブライン など)を循環させて行っている。この状態変化を示したも のが、図-4である。処理空気は、冷却コイル入口側に設 けられた熱交換器(プレクーラ)によってa→bに予冷した 後、冷却コイルによってb→cに冷却除湿し冷却コイル 出口側に設けられた熱交換器(アフタヒータ)によってc→ dに再熱する。当然のこととして、a→bの冷却熱量とc→ dの加熱熱量は同量となる。この結果、本来ならば冷却コ イルでエンタルピーha→hcまで冷却すべき熱量が、hb→hc までの冷却量で済むことになり、場合によっては、必要な 冷凍機が1ランク下の能力のものになることもある。 図‐3の再熱コイルは、冷凍機の吐出しガス(排熱)を利 用したホットガスヒー夕であり、制御汗でホットガス量を 調整することにより、処理空気温度を調節できる。除湿装 置として加熱能力を必要としない場合(冷却専用の場合) は、特に電気ヒータ、蒸気ヒータなどを設けず、このホッ トガスヒータだけで再熱制御でき、大幅な省エネルギーと なる。水冷式の場合、再熱コイルの熱源として、冷却水を 利用する場合もある。加熱能力を必要とする場合は、電気 ヒータまたは蒸気ヒータを追加する。露点温度の制御は、 蒸発圧力調節弁で蒸発圧力を調節して行う。図-3は、 水冷コンデンシングユニットを使用した例であるが、 最近はメンテナンスの簡便さから、空冷コンデンシン グユニットを採用する場合が多い。
処理空気の出口露点温度が5℃程度以下の除湿装置で、 図-5にその系統図を示す。露点温度が5℃程度以下にな ると、蒸発温度が0℃以下になり、冷却コイルに着霜して くる。霜が成長してくると、冷却能力が低下し、最終的に は冷却コイルが霜で目詰まりを起こして、空気も流れない 状態になる。そこで.ある程度の着霜が生じた段階で、除 霜(デフロスト)をする必要がある。しかし、除霜をすると いうことは冷却を停l上するということであり、当然、処理 空気の温湿度は大きく乱れることとなる。除霜中に温湿度 が乱れても大きな問題にならない場合は、1台の冷却コイ ルで済ませる場合もあるが、除霜中の温湿度の乱れが問題 になる場合は、図-5のように2台の冷却コイルを設け て、冷却・除湿と除霜を交互に切り替えて運転する。さら に、高精度の温湿度制御が要求される場合は、3台以上の 冷却コイルを設けて、順次切り替えて除霜を行う場合もあ る。 除霜装置は、電熱式かホットガス式が使われる場合が多 い。冷却コイルの前後には高気密ダンパが設けてあり、除 霜中は密閉して温熱やもや(水蒸気)が除霜コイルの外部に 漏れないようにしている。したがって、ダンパは完全に漏 れのないものが要求され、除霜中でも、他方のコイルでは 0℃以卜の冷却運転をしているため、ダンパブレードの重 なり部分は凍りつかないような対策が必要となる。 冷却コイル切替え時の処理空気の温湿度変動は、ダンパ 切替えや冷媒制御弁の切替えタイミングを最適調整するこ とにより、非常に少なくすることができる。
1) 除湿のほかに冷却も可能であり、処理空気温度を任意に制御できる。 2) 再生熱源や除湿後の冷却が不要である。 3) 電源の供給のみで装置の運転が可能である(空冷式の場合)。 4) 非常にコンパクトであり、占有面積が少なくて済む。 5) 保守が容易である。 |
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