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加湿と除湿(4)
除湿の原理と実際(その1)


榊 武文(株)東洋製作所エンジニアリング本部
〔監修:千葉孝男 特別会員
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キーワード:除湿装置(Dehumidifiers)、吸着(Adsorption)、吸収(Absorption)、露点温度(Dew Point Temperature)、相対湿度(Relative Humidity)

はじめに
 我が国の風土は高温多湿の気候に育てられてきた。特 に、梅雨時期および夏期においては、多湿によるさまざま な問題〔不快感の増大、カビあるいはさび(錆)の発生など〕 が発生する。
 各種物資の保存施設や美術館、博物館では除湿装置が設 置される場合が多く、また、除湿が重要な役割を担ってい る空調設備が発展してきている。我々の生活環境において も、除湿機能を持った設備が普及してきており、ほとんど の家庭用エアコンは除湿機能を備えている。
 産業においても、空気中の水分が悪影響を与えることが 多く、吸湿性の医薬品、食品類や水分を嫌う工業製品(半 導体製品、リチウム電池製造など)の生産工程において は、年間にわたって除湿操作が必要不可欠となっている。
 これらの除湿装置について、その方式の種類、原理、特 徴、実施例などを含め、2回にわたり説明する。

1.除湿の必要性

 1.1 除湿とは
 地球上の空気は必ず幾らかの水蒸気が含まれており、一 般には湿り空気と呼んでいる。また、水蒸気の全く含まれ ていない空気を、一般には乾き空気と呼んでいる。この湿 り空気中の水蒸気の量を調整することを調湿と呼び、水蒸 気を減らす操作を除湿(あるいは減湿)と呼んでいる。

 1.2 除湿の必要性
 (1)快適性
 梅雨時や夏は大気の湿度が高くなることが多く、蒸し暑 い不快な日が多い。一時天気予報などで使われていた不快 指数は、湿度によって大きく支配され、湿度が高いほど、 不快指数も大きな値となる。このため、快適空調において は相対湿度50〜60%の範囲に制御されることが多く、通 常は処理空気の冷却・除湿によって調湿されている。
 (2)保存、保管
 大切なもの、貴重なものを品質劣化を少なくして、長期 間保存するためには、周囲の温度と湿度の管理が重要であ る。湿度が高いとカビの発生が問題となってくる。カビに は、相対湿度80%以上で発生する湿性カピと、60%以上 で発生する乾性カビがある。後者は電子回路基板、光学レ ンズなどの工業製品に発生し、大きな損害を与えることが ある。保管倉庫などを低湿度に保持することにより、これ らカビの発生を防ぐとともに、他の微生物やダニ.ゴキブ リなどの水分の補強を絶つことにより、それらの発生・繁 殖を絶つことができる。
 (3)防せい(錆)
 金属製品に与える湿度の影響の代表的なものに、さびが ある。金属類は、相対湿度60%以上では急激にさびる が、30%以下ではさびることはほとんどなくなる 鋼 材、武器・弾薬、精密部品などの保管に広く除湿装置が利 用されている。
 (4)製 造
 工業製品などの製造ラインでの除湿の主な目的は、品質 と歩留りの向上である。特に、吸湿性の強い製品の場合、 必要不可欠となる。典型的な例では、リチウム電池の製造 工程では、材料のリチウムが空気中のわずかな水分とも反 応するため、露点温度-60℃以卜という超低湿度の環境で 製造し、その品質低山下を防止している。
 また、半導体産業ではますます微細化が進み、空気中の 水分がその品質に与える影響も太き〈なってきており、さ らなる低湿度の環境が求められる傾向にある。


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