〔解説〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
ハイブリッド換気システムの概要と課題
加藤信介

空気調和・衛生工学 76-7(平14-7) pp.643〜647

 ハイブリッド換気システムは,風力や煙突効果などの "受動的(パッシブな)"駆動力と,機械力による"能動的(ア クティブな)"駆動力の双方を組み合わせて行う建物換気を 指す。地球環境に対する負荷を削減しつつ,質の高い居住 環境を目指すシステムである。
 本特集では,ハイブリッド換気に対する理解とその普及 に寄与することを目的とし,ハイブリッド換気の現状,適 用例,周辺技術,技術的課題,その技術の中心にある自然 換気の研究の最新情報を紹介する。

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〔解説〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
最近の自然換気の研究動向
吉野 博

空気調和・衛生工学 76-7(平14-7) pp.649〜657

 地球環境の時代にあって,省エネルギー・省資源の観点 や環境共生に対する志向などから,自然換気やハイブリッ ド換気に対するニーズが高まってきている。それに伴って 近年,いかにして自然換気の短所を克服し,換気量を適度 に制御することができるかという観点からの研究が増えて きている。本稿では,@ヨーロッパにおけるNat Ventプ ロジェクト,AIEA Annex 35ハイブリッド換気システ ムの開発プロジェクトについて紹介するとともに,Bハイ ブリッド換気を含めて,自然換気に関する我が国を中心と した最近の研究事例と動向について概説する。

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〔解説〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
集合住宅のためのハイブリッド換気システムおよび風圧係数予測方法の開発
澤地孝男・高橋泰雄・佐藤健一

空気調和・衛生工学 76‐7(平14‐7)pp.659〜667

 近年の住宅の気密化などに伴い,全般換気の必要性が高 まってきた。全般換気には機械換気,自然換気,その二つ を融合させたハイブリッド換気がある。
 集合住宅における自然換気では,温度差換気よりも風力 換気のほうが適しているが,風力換気では弱風時の換気不 足対策と,強風時の過剰換気抑制が必要となる。これらの 対策を施した二つの換気システム例について紹介する。
 また,風力換気システムの開発と換気設計には,風圧力 の予測方法が重要である。ここで,換気・通風を目的とし て,風圧力に関して進められている研究の一部について紹 介する。

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〔解説〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
ハイブリッド換気の設計
近本智行

空気調和・衛生工学 76-7(平14-7)pp.669〜676

 従来,自然換気は白然の力頼みで運用されているが、近 年,白然換気の有効性が大きく延ばすことのできるハイブ リッド換気というシステムの概念が登場し,幾つかの先駆 的研究や提案,IEA ECBCS におけるAnnex 35 Hyb Ventとしての国際共同研究の実施とともに,その認知度 は徐々に上がってきているが,実施例はまだ少ない。ま た,設計手法が十分に確立されているとはいえないため、 実際に設計するにあたって,各設計者が必ずしも十分な見 識を持っているとは限らず,困難が立ちはだかることもあ る。このためここでは,ハイブリッド換気の特徴、設計・ 制御事例,計画の留意点に関して記述し、ハイブリッド換 気の設計への一助とすることを目的とする。

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〔技術報告〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
自然換気用開口装置の事例および開発状況
野村吉和

空気調和・衛生工学 76-7(平14-7)pp.677〜681

 近年,建築に求められる環境負荷の低減から,自然エネ ルギー利用といった点で、室内空気質の制御と,熱的快適 性を確保するため,自然換気が多く利用されるようになっ てきている。また,IEA Annex 35の活動のように,機械 換気と自然換気のよさを生かし,より省エネルギーで快適 な室内空気環境を得るための研究においても,自然換気を より積極的に活用する動きが活発化している。
 このような背景の下、室内外のインタフェースとしての 換気閉口装置について,さまざまな事例が実施され効果を あげている。本報は,それらの開発状況の一部を紹介す る。

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〔技術報告〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
ヨーロッパにおけるハイブリッド換気の実施例
大森敏明

空気調和・衛生工学 76-7(平14-7)pp.683〜688

 近年,自然換気を最大限活用しながら機械換気も併用す るハイブリッド換気システムを備えた建物が,小規模のオ フィスビルから超高層ビルにいたるまで広いレンジでお目 見えするようになった。建物内にいながら居住者が自然と のコンタクトをある程度実現でき,最小のエネルギー消費 量で室内の空気質と温熱環境を適正に確保することができ るという期待から多くの注目を集めている。ハイブリッド 換気システムは,主としてヨーロッパを中心に発展してき たが,我が国においても先駆的な実施例がある。本報で は,ヨーロッパにおける実施例を紹介する。

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〔技術報告〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
日本におけるハイブリッド換気の事例(1)メガウェブ・シティショウケース棟
水野高伸・横井睦己

空気調和・衛生工学 76-7(平14-7) pp.689〜693

 ここでは,臨海部の風系に配慮した換気窓および換気タ ワーを備えたメガウェブ・シティショウケースの建築計 画・自然換気システムの概要を紹介する。また,実測デー タに基づく自然換気の省エネルギー効果を併せて紹介す る。

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〔技術報告〕特集/ハイブリッド換気の現状と課題
日本におけるハイブリッド換気の事例(2)フジタ技術センター
成田樹昭・細井昭憲

空気調和・衛生工学 76-7(平14-7) pp.695〜700

 フジタ技術センターでは,自然通風と機械空調を切り替 えて運転するタイプのハイブリッド換気システムが採用さ れている。運用開始初年においては,自然通風モードとな る年間の時間数は想定を大幅に下回った。しかし,運用結 果や実測・実験の成果に基づき制御法を改善した結果,次 年においては自然通風運転時間数が増加し,大幅な答エネ ルギーを達成することができた。また,居住者を空調運転 制御に関与させる工夫もなされている。ハイブリッド換気 は,制御法について一層の研究が必要であるが,今後極め て有力な省エネルギー手法のひとつになっていくと思われ る。

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