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2.加湿方式の種類と変遷 加湿の方式は多くあるが,いずれの方式も一長一短があ り,時代の要求あるいは用途に応じてさまざまな方式が採 用されてきた。 2.1 エアワッシャでの冷房・暖房 昭和30年ごろまでは,エアワッシャ(空気清浄器)が広 く用いられていた。空調用の給気をつくり出すために,夏 期には冷水を,冬期には温水をノズルから空気に吹き付 け,冷房と暖房を行う装置である。その構造は,図-4に 示すようなものである。原理的には,空気中にノズルで多 量の水を吹き付けるために,水滴の中を通り過ぎる空気は ほとんど飽和の状態になる。吹き付けた水の大部分は,蒸 発せずに下部の水槽に落ちる。その水をポンプで循環し, 熱交換器を通して温度を調節し,エアワッシャに送って再 利用している。冷房時には,冷水を吹き付けるために,空 気中の水蒸気の一部が凝縮し,除湿も行われ,暖房時には 吹き付ける温水の一部が蒸発して加湿が行われる。別に加 湿器を必要としないため,特に冬期の湿度調整には有効な システムである。 図-4からわかるように,冷水や温水系統が開放系とな り,ポンプ動力が大きいことや,大量の水を噴霧するため に装置が大きくなるなどの理由で,1960年ごろにはほと んど冷温水コイルを利用し,冷暖房をする方法に取って代 わられた。
冷温水コイルで冷房する場合には,除湿は同時にできる が,暖房時の加湿は別に加湿装置を設ける必要がある。 (1)蒸気による加湿 工場や病院などで,蒸気ボイラがある場合には,装置も 加湿量の調節も簡単なので,蒸気加湿が用いられている。 一般の事務所ビルでも,過去には暖房・給湯に蒸気ボイ ラが用いられ,ボイラで発生した蒸気を加熱などに利用す ると同時に,直接空気中に噴射して加湿にも利用されるこ とが多かったが,最近では蒸気ボイラなどの設備を持つ例 が少なくなり,必然的に加湿に蒸気を用いられることも少 なくなってきている。 (2)水噴霧による加湿 事務所ビルでは,次第に蒸気加湿に代わって水噴霧によ る加湿が多く採用されるようになっている。しかしなが ら,水を噴霧し,所定の加湿をするために.噴霧量や蒸発 量を調節することはなかなか難しく,決定的な方法はな い。超音波加湿器が流行した時代もあったが,噴霧水を直 接空気中に気化させるため,水分中の不純物が白い粉とし て,例えばブラウン管の表面に付着するなどの問題が発生 し,最近は採用例がめっきりと減った。 工場などで高湿を要求される場合に,室内に高圧の水を ノズルから直接噴霧するような加湿方法も取られている。 2.3 気化加湿の利用 超音波加湿時代の次に,水分を保持しやすい多孔質体に 水分を滴下し,その表面と空気の接触により,水分を気化 させ加湿する気化加湿方式が広く採用された。この方法で は,空気中には水蒸気のみが気化するため,直接空気中に 水噴霧したときのように,室内で白い粉が付着することな どはない。しかしながら逆に,多孔質体に粉が詰まったり 微生物が発生するなどの問題が生じた。 2.4 最近の傾向 家庭用でここ数年多くなった蒸気式加湿器は,電気で水 を加熱し蒸気として供給する方式で,もちろん空調機に組 込み可能である。しかしながら,電気で蒸気をつくると, 非常にコストが高くなるという欠点がある。 以上簡単に加湿器の変遷を述べたが,現在,これという 決め手がないのが加湿方式の現状であり,今後も新たな加 湿装置が開発されることが予想される。 近年,半導体の製造工場での化学物質(ケミ力ル)汚染対 策として,水の代わりに純水を用いて空気中のガス状汚染 物質を除去する装置としてエアワッシャが復活し,使われ 始めた。エアワッシャは,当然冬期は加湿装置としても兼 用されている。 さらに,クリーンルームなどでは,加湿のために内部発 生熱を利用し,加熱エネルギーを節約する省エネルギー型 空調機としても,エアワッシャが見直される時代を迎えて いる。 |
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