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加湿と除湿
(1)湿り空気と湿度


伊東民雄  高砂熱学工業葛Z術本部品質・環境部 正会員
西村浩一  高砂熱学工業鞄結椁{店産業空調統括部 正会員
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キーワード:湿り空気(Moist Air)、湿度(Humidity)、湿度計側(Humidity Measurment)、比エンタルピー(Enthalpy of Moist Air)、加湿(Humidification)、除湿(Dehumidification)

講座"加湿と除湿"開講にあたって
 空気の湿度は、温度、清浄度、気流分布と合わせて "空調の4要素"と呼ばれている。
 最近、携帯電話の電池や電気自動車の電池製造プロ セスでの超低湿度環境いわゆるドライルームや、排熱 などの未利用エネルギーを利用してのデシカント空調 など、空気中の湿度の変化を利用した新しい技術が話 題となっている。また相変わらず、暖房期の加湿につ いてもいろいろな不満が聞こえてくる。
 そこで、今回あらためて主に若い技術者を対象にし て、空気調和の基本である"湿度"にスポットをあて、 湿度、加湿・除湿の原理とその応用について、次に示 すような順序で、6回にわたりわかりやすく解説する 講座を開くことにした。
 1) 湿り空気と湿度
 2) 加湿の原理と実際
 3) 加湿の最新事例と発展
 4) 除湿の原理と実際(1)
 5) 除湿の原理と実際(2)
 6) 除湿の最新事例と発展
 その際、理論的な正確さよりも理解しやすさに重点 をおいて、乱暴な解説になることを恐れず、"湿度"に 関するさまざまな事象・後構を原理的に理解し、また 最新の技術課題を知ってもらうことに主眼をおいた。

はじめに
 空調の除湿・加湿というプロセスを理解するには、まず 湿り空気について知ることが大切である。"湿り空気"とい うものの理解を難しくしているのは、空気中の水蒸気すな わち"湿度"の存在である。
 そこで、この講座の第1回として、湿度の理解に必要な "湿り空気"と"湿り空気の湿り具合い"、すなわち湿度の表 示法"について、解説する。特に、湿度の表示法はいるい るあり、それらの表示法が何を表し、どのように利用され るのかを、またその測定方法について解説する。

1.湿り空気とは
 地球上の空気は、質量比で約76%の窒素と約23%の酸 素を主成分とし、さらに少量のアルゴン、二酸化炭素その 他の物質が含まれており、地球上どこでもほぼ同じ組成成 分になっている。しかし、実際の空気にはこのほかにさら に質量比で1〜3%未満の水蒸気が含まれている。このよ うな成分からなる空気で、水蒸気を含まないものを"乾き 空気"と呼び、水蒸気を含んだ状態の空気を"湿り空気"と 呼んでいる。自然状態では、地球上の空気はすべて水蒸気 を含んでおり、乾き空気は存在しない。
 湿り空気中に含まれる水蒸気の割合は比較的少ないにも かかわらず、乾き空気に比べてその保有熱量が非常に大き い。図-1のように、室内の一般的な冷房条件(乾球温度26 ℃、相対湿度55%)の場合、水蒸気の質量比は1.2%〔絶 対湿度0.12kg/kg(DA)〕に過ぎないが、その熱量比は54 %に達する。このことからも、空調における湿度の存在の 重要性、加湿や除湿を行う場合に多くの熱を必要とするこ とがわかる。
 乾き空気の組成成分と異なり、空気中の水蒸気量は気候 や気圧、気温により変化し、気圧と温度により上限があ る。ある温度で、これ以上水蒸気を含むことのできない状 態の空気を飽和空気と呼ぶ。これに対してまだ上限値に達 せず、水蒸気を含み得る状態の空気を不飽和空気と呼ぶ。 空調で一般に空気という場合は、多少なりとも水蒸気が含 まれている飽和空気や不飽和空気のことをいっている。こ れが前に述べた"湿り空気"であり、全く水蒸気の存在しな い場合のみ特別に"乾き空気"と呼んでいる。


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