〔解説〕特集/水道―資源・水質・配水
水道行政の今後
日置潤一

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3) pp.227〜232

 我が国の水道は、ほとんどの国民が利用できるまでに普 及し、維持管理の時期を迎えたといえるが、安定した管理 体制の維持、安全な水道水の安定的な供給の継続が焦点と なっている。水道事業については、事業の統合などの手段 により、管理体制の強化を図ることが求められており、平 成13年の水道法改正では、水道行政の今後のあり方とし て、管理業務の第三者への委託を制度化し、事業統合の手 続きを簡素化するなど、水道事業の管理体制強化のための 措置を講じている。加えて、利用者の多い未規制水道やビ ルなどの貯水槽水道に関しても、管理体制の強化について 必要な措置を講じている。

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〔解説〕特集/水道―資源・水質・配水
水資源
柳田貴広

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3) pp.233〜239

 水は人間にとって重要かつ基本的な資源であるが、我が 国の水利用は農業を中心として展開してきた。明治期に入 り工業、生活といった新たな利水が台頭し、また戦後から の急増する水需要に対応するための水資源関係法令が整備 されてきた。今後は社会の変化に柔軟に対応できる水需給 計画とすることが必要である。
 水資源開発促進法では用水を必要とする地域について供 給を確保するために水系を指定し、計画を定めることとし ている。これまでこの計画に基づいて多くの事業がなされ てきたが、計画の目標年度が平成12年度であることか ら、改定に向けた作業を行っている。

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〔技術報告〕特集/水道―資源・水質・配水
淀川原水の変遷と水源水質管理
小笹 泰

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3) pp.241〜245

 阪神地区の水道水源となっている淀川は、降水パターン の異なる流域と琵琶湖の存在により、安定した流況を維持 しているが、同時に四百数十万人の生活と経済活動に伴う 汚水の排水路であり、戦後の一時期、激しい水質汚染に見 舞われた。このため、昭和40年に"淀川水質協議会"を 結成し、独自の水質調査結果に基づき、上流公共機関や国 に対し水質保全に対する要望活動を継続して行うととも に、浄水処理の強化により、安全な水道水の確保に努めて きた。その結果、淀川の水質は改善され、また高度浄水処 理を導入することで、水道水がおいしくなった、臭いが気 にならなくなったという評価を得るまでになった。この経 過を概観し、安全で良質な水道水を確保するうえでの、水 源保全と浄水処理の役割について考察した。

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〔技術報告〕特集/水道―資源・水質・配水
大阪市の浄水技術の変遷
山田豊実

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3)pp.247〜250

 我が国における水道は、公衆衛生の向上.と消火用水の確 保を目的として創設され、需要水量の増加、水源水質の悪 化などの課題に対し、常に最新の浄水技術を導人すること により対応してきた。
 本稿においては、我が国の水道における浄水技術の変遷 および最新の高度浄水技術について、大阪市を例に記述し ている。

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〔技術報告〕特集/水道―資源・水質・配水
海水淡水化による造水技術
奥村正明

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3) pp.251〜258

 沖縄県企業局では、慢性的な水不足の解消策として、天 候に左右されずに、いつでも海水から淡水が生産できる海 水淡水化事業の取組みを進めてきたが、平成9年に4万 m3/日の全施設が完成した。
 海水淡水化施設の運営にあっては、いつも造水コストが 問題となる。そこで、当施設では、以下のことについて検 討を行い、コストの低減化策を進めている。
 1)夜間電力の有効利用による動力費の低減
 2)薬注率などの見直しによる薬品費の低減
 3)効率的な膜管理手法の確立による膜交換費用の低減

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〔技術報告〕特集/水道―資源・水質・配水
東京都の送配水施設
佐久間 薫

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3)pp.259〜264

 今日、水道に対する消費者ニーズも多様化し.平常時は もとより、事故時、震災時、渇水時における安定給水、安 全でおいしい水の供給など、水道事業者に"量と質"の向上 が強く求められている。
 水道施設のなかで特に送配水施設に目を仰けると、施設 の老朽化による機能低下、事故時におけるバックアップ機 能の不足、渇水や震災時などにおける給水の確保など、多 くの課題を抱えている。
 これら課題を解決すべき、現在東京都で実施している施 策を解説するものである。

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〔解説〕特集/水道―資源・水質・配水
海外の水道
海賀信好

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3) pp.265〜268

 海外の水道では、EU、EPAなどによる新しい飲料水水 質基準に対応するため、表流水を原水とする浄水場では、 酸化剤としてオゾン、オゾン・過酸化水素、吸着材として 粒状活性炭を処理工程に追加した高度浄水処理システムが 運転され、トリハロメタンの低減、残留農薬や異臭味の除 去された安全な飲料水が供給されている。また、民営化さ れた水道事業体では、サービスの向上と効率的な経営が進 められている。

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〔解説〕
代表的な温熱指標の温感工学的考察(1)PMVの独創性と特徴
持田 徹・佐古井智紀

空気調和・衛生工学 76-3(平14-3) pp.269〜274

 ISO-7730に規定されているPMV(予測平均温冷感) は、熱環境の評価、設計、制御用として広く使用されてい る。本稿では、人体と環境との間の熱平衡式を基に、主と してPMVが定義する熱負荷の物理的意味を考察し、熱負 荷、皮膚と環境間の熱抵抗、温冷感との対応を、寒冷〜熱 的中立環境における被験者実験の結果より検証する。さら に、PMVの適用限界を示すとともに、快適範囲外で使用 した場合の影響についても定性的な分析を行う。

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〔海外文献紹介〕
3種類の給気システム―ファンの電力負可と消費エネルギー
杉浦 匠 訳

空気調和・衛生工学 76-3(平14‐3) pp.289〜293

 本論文は、空調システムの運転コストを最小にするため に、ファンの電力需要と消費エネルギーに関して検討した ものである。1760W {500USRt}の冷凍機を用いた3種類 の給気システム(二つのVAV方式とファンコイルユニッ ト方式)に関し、正味の冷却量や動力比率を分析した。ま た、VAVシステムや熱回収ユニット使用時のエネルギー 消費に関しても言及し、設計指針を提示した。

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〔海外文献紹介〕
密閉システムにおける水処理
宮下 守・松川安樹 訳

空気調和・衛生工学 76‐3(平14‐3) pp.294〜300

 本論文では、密閉システムの水処理において使用きれる 腐食抑制剤の特徴、および鋼の腐食に影響を与える溶液の pHや銅の腐食を、調整・抑制するための緩衝剤・腐食抑 制剤の種類や特徴、さらには水処理が適切に行われている かを判断するためのモニタリングの重要性について述べ る。また、現状の水処理の問題点と、21世紀の水処理に 求められることについて指摘する。

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