〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
ストック時代の建築設備を考える
沖塩荘一郎

空気調和・衛生工学 76-1(平14-1)pp.121〜125

 戦後我が国では、建築資産の絶対的不足解消のため大量 建設を続けてきた。その結果、床面積としてはかなりの充 足度を示すとともに、築後30年以上の維持保全に費用の かかる建築が毎年2億m2前後ずつ増加する時代となっ た。一方、地球環境問題から、資源・エネルギーの浪費、 "建てては壊し"は許されなくなってきている。また、情報 技術の進展から、"いつでもどこでも仕事も勉学もできる" ようになり、建築に対する要求も大きく変化しつつある。 これらに建築設備はどう対応すべきかについて論じてい る。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
ストック時代における新しい概念と動向
本田広昭

空気調和・衛生工学 76-1(平14‐1)pp.127〜130

 "失われた10年"を境に、日本は成長経済から成熟経済 への大転換を余儀なくされている。不動産・建築の分野で いえば、右肩上がりの土地神話を背景に、スクラップ&ビ ルドを続けてきた時代の終えん(焉)であり、土地から建物 へ主役交代を意味する。経済のグローバル化は、"建物主 役の時代"における新しい不動産(建物)評価軸の導入を促 し、成熟経済や地球環境は、長寿命・省エネルギー型の社 会基盤の再構築を求めている。世代を超えて受け継がれる 優良な社会資本としての建物を"いかにつくり、使いそし て持続(維持)させるか"が今求められている。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
ストック時代における設備設計
村尾元朗・吉田直裕・横田雄史

空気調和・衛生工学 76-1(平14‐1) pp.131〜137

 ストック時代における設備設計のあり方について、大き な概念として計画年数の設定、躯体と設備の分離、道連れ エ事の防止、耐久性向上、省エネルギーの重要性、保全要 素の少ない設計、メンテナンスしやすい配慮について述 べ、その具体的実例として、JR東日本本社ビルおよびNEC 玉川ルネッサンスシティ(1)を解説している。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
ストックの時代におけるビルメンテナンス
前川甲陽

空気調和・衛生工学 76-1(平14-1) pp.139〜148

 ビルメンテナンスの将来像を知るため、その業界団体が 新しい世紀を迎えるに際して作成した中長期ビジョンに基 づき、ビルメンテナンスをめぐる社会、経済の変化と今後 の経営上の課題について展望し、近未来のビルメンテナン スのあり方を検討した。まず、ビルメンテナンスのマネジ メントが必要であり、関連の深いライフサイクルマネジメ ントとファシリティマネジメントとのかかわりの考察か ら、新しいビルメンテナンスの発展の方向性を示し、その 果たすべき主要な課題について考察を行った。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
FM分野(維持管理)における最近の動向
今川 望

空気調和・衛生工学 76-1(平14‐1) pp.149〜158

 ここ10年近く、連続して地価が下落してきたため、固 定資産に占める建物のウエートが相対的に高まってきてい る。社会は建物の長寿命化を求め、それを実現する適切な 維持管理のニーズが高まってきている。
 "建設事業を計画する"→"建物をつくる"→"建物を使う" の建物ライフサイクルのうち."建物を使う"フェーズが重 愛である。 EDIやCALS/ECが活発な時代に、建設業が 維持管理から要求きれる機能のうち、長期修繕計画・ BEMS・CAFMの三つに関して、"建物を使う"という フェーズの最近の手法や動向を述べる。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
デューデリジェンス業務の実際―不動産の証券化におけるエンジニアリングレポートの作成手順
児玉裕司

空気調和・衛生工学 76-1(平14-1) pp.159〜163

 デューデリジェンスレポートにおいて、設備技術者がか かわる内容について概説する。設備技術者が主としてかか わるのは、エンジニアリグレポートおよび環境レポートで ある。これらのレポートは、建物の物理的状況・維持管理 状況・土壌汚染などの環境側面のリスクなどについての情 報開示のためのレポートである。いずれのレポートも半日 程度の現地調査と管理料ヒアリング、提示された資料に基 づき作成するが、限られた時間のなかで設備技術者の総合 的な判断を必要とする。レポートの作成にあたっては、建 築の専門家以外が読み手となることを考慮した表現とする ことが求められる。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
デューデリジェンス業務の実際―設備エンジニアとデューデリジェンス業務のかかわり
一方井孝治

空気調和・衛生工学 76-1(平14‐1) pp.165〜169

 デューデリジェンスは不動産取引きや不動産証券化など のために行われる不動産などの資産の詳細かつ多角的な調 査である。その内容は、主に経済的調査、法的調査、物的 状況調査および環境調査の四つの分野で構成されている。 ここでは、主として建築・設備技術者が調査を担当する物 的状況調査と環境調査を取り挙げる。不動産評価における エンジニアリングレポートの役割は、資産としての建物施 設全般的な状況を報告するためにある。エンジニアリング レポートの作成手順に沿って、デューデリジェンス業務の 概要を紹介する。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
ビル事業者として資産価値を高めるリニューアル―新大手町ビルの事例報告
浅羽伸人

空気調和・衛生工学 76-1(平14‐1) pp.171〜175

 既存ビルを建て替えるべきか、リニューアル工事をすべ きか。 経済状況がいまだ暗雲漂うなか、ビルオーナーとし ては、いずれかの選択を迫られる場面がますます多くなっ てきている。一方、ビル賃貸事業の動向としては、確実に ストックマネジメントからさらに力スタマーサティスファ クションへと向かっている。工期約3.5年を要し、当社所 有ビルのなかで昭和30年代に竣工した、いわゆる、軒高 31m級都心大型ビルの全館リニューアル工事例を、計画 決定の初期段階から竣工までビル賃貸業務としての日常の 営繕を含め、技術担当をした一員として事例紹介する。

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〔解説〕特集/ストック時代の建築設備
丸の内三井ビル空調設備のリニューアル
野元寿男

空気調和・衛生工学 76-1(平14‐1) pp.177〜182

 丸の内三井ビルは、オフィスビルとしてのポテンシャル の高さから、竣工後16年と早い時期に事業判断により、 空調設備リニューアルが実施された。
 リニューアルの目的は、個別空調システムへの改修であ る。
 空調計画の基本方針は、@2段階で中央式空調システム から、オフィスビルとして最適な個別空調システムを完成 させること、A今回実施される暫定システムである第一段 階においても、オフィスピルとして競争力を強化すること である。
 事業面では、投資時期と投資金額の分散を図り、投資効 率の最大化を図ることとした。

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〔海外文献紹介〕
ガスだき暖房機器と換気システムによる室内空気質と熱的快感の改善
福山博之訳

空気調和・衛生工学 76-1(平14-1)pp.195〜197

 1994年度のASHRAE技術賞、第W部門:産業施設ま たは産業プロセス(新設と既存)の授賞作品.オハイオ州シ ンシナティのRotex Inc.の既存工場の溶接工場棟の油だき 暖房機器からガスだき暖房機器への変換と、換気システム の増設による室内空気質と熱的快感の改善が報告されてい る。

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〔海外文献紹介〕
IAQの問題を調査するための品質保証戦略
福山博之訳

空気調和・衛生工学 76‐1(平14-1) pp.199〜204

 ビルの内部環境の質が、ここ20年以上にわたって関心 を漸増させている。今や数千に及ぶビルが世界各国でIAQ の調査を実施されてきている。諸研究者が使用した評価戦 略・プロトコルが、政府機関・コンサルタント・研究者・ 医師が使用したものも含めて、科学・工学文献に発表され ている。これらのアプローチには、一種の一貫したものと 共通したものとがある。
 本稿では、筆者らが行ったアプローチ、過去の諸調査で 見つけられたものが報告されている。

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