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施設管理の動向
―コミッショニングから設備改修へ
(2)改正省エネルギー法と
施設の診断・管理標準


阿部崇彦   (財)省エネルギーセン夕ー 正会員
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キーワード:エネルギー(Energy)、自動制御(Automatic Control)、省エネルギー(Energy Conservation)、 空調設備(Air Conditioning Systems)、中央管制(Centralized Control System)



1. 地球環境保全と省エネルギー政策

 平成9年12月に行われた地球温暖化防止京都会議 (COP3)では、"先進38カ国全体で2008年から2012年の 温室効果ガスの平均排出量を1990年レベルよりも5%削 滅する"ことが決議された。その際.我が国は"1990年比 で6%の削減"を公約した。これを実現するために、エネ ルギー起源によるCO2排出量削減目標を炭素換算で約 6000万tとして、その省エネルギー対策を各部門に割り 振って種々の施策を策定したのが表‐1である。
 原油換算で約5600万klの省エネルギーを目指すため の中核をなす省エネルギー法の改正にいたった。
 国内の2000年から2010年における実質経済成長率の伸 びを対前年比で平均2.0%と仮定した場合の最終エネル ギー消費量とCO2排出量の伸びを基準ケースとして表-1 に示す対策を講じた場合を対策ケースとして、所定量の削 減を図るもので概要を図-1に示す。
 国内における各部門ごとのエネルギー消費量の推移をみ ると、図-2示すとおりである。最も大きな比率を占める 産業部門においては、事業者のコストダウンニーズを動機 とする省エネルギー努力の成果が大きく、GDPの大きな 成長にもかかわらず、エネルギー消費量の伸びは最低限に 抑えられている。
 一方、業務用ビルの分野では、1965年度比で実に6倍 近くの伸びを示している。これは、全産業部門において、 自家用車を中心とする運輸旅客部門に次いで第二位に該当 する。また、全エネルギー消費量に占める比率も図-3に 示すように、1965年度の8%から1999年度には13%と 著しい膨張を示している。業務部門の省エネルギー対策が クローズアップされているゆえんである。

2. 省エネルギー法の改正と第二種エネルギー管理指定工場の制定
 以上の背景に基づいて、平成11年4月から施行された 改正省エネルギー法において、従来のエネルギー管理指定 工場が第一種エネルギー管理指定工場となるとともに、第 二種エネルギー管理指定工場が制定された。第ニ種エネル ギー管理指定工場は、生産部門にとどまらず・すべての業 種に適用されるため、指定数量(1年間の消費量が電力600 万kW・h、または燃料が原油換算1500kl)以上のエネル ギーを使用するビルは、二種指定工場の指定を受けること になった。指定された場合、エネルギー管理員(管理士で はない)を選任し管理標準を定め、判断基準に沿ったエ ネルギー管理が義務づけられる。
 省エネルギー法における判断基準は、必ず守るべき基準 部分と努力すべき目標部分からなっている。基準部分は、 管理標準を設定し判断基準の7分野(表‐2)について、以 下の4項目の遵守が義務づけられている。
 1) 管 理
 2) 計測・記録
 3) 保守・点検
 4) 新設にあたっての措置を行う
 また、目標部分については、エネルギー消費原単位を年 平均1%以上の低減を図る努力が求められている。
 特筆すべきは、エネルギー管理員の選任が義務づけられ たことにより、業務用ビルにおいて・設備の運転管理とエ ネルギー管理に携わる担当者のステータスが著しく向上し たことである。しかしながら、一方では判断基準、管理標 準などビルの設備管理であまり用いられていなかった管理 用語に戸惑い、どのように対応してよいかわからないと いった問題が生じていることも否めない。
 いま一つの問題点として、計測・記録が義務づけられた のに対して、ほとんどのビルにおいて計測器の整備が不十 分なことが挙げられる。
 また、従来からビルの新築時に義務づけられている"建 築主の判断基準"、すなわちPAL(Perimeter Annual Load) とCEC(Co-efficient of Energy Consumption)の基準値も 強化されたが・設計時に策定された省エネルギー、 ビルの運営において、その効果が検証できないという問題 点が浮き彫りになってきた。


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