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2.消防法施行令・第32条 特例

 消防法の基準の多くは、仕様書的に定められているが、 それらの仕様に適合しなくても、"要求された性能を満足 すればよい"というのがこの消防法施行令第32条である。 具体的に第32条とは、下記のとおりの条文である。
 "この節の規定は、消防用設備等について、消防長(消防 本部を置かない市町村においては、市町村長)又は消防署 長が、防火対象物の位置、構造及び設備の状況から判断し て、この節の規定による消防用設備等の基準によらなくと も、火災の発生及び延焼のおそれが著しく少なく、かつ、 火災等の災害による被害を最小限度に止めることができる と認めるとき、又は予想しない特殊の消防用設備等その他 の設備を用いることにより、この節の規定による消防用設 備等の基準による場合と同等以上の効力があると認めると きにおいては、適用しない"とされており、まさに性能規 定そのものである。

3.ハロン代替消火設備の現状と地球環境保護対策

3.1 ハロン使用禁止の背景

 かつては、火事に対して火を消すことにのみに集中し て、人体への影響や、地球環境への影響をあまり考慮して いなかったが、27年前の1974年、米国カリフォルニア大 学のF.S.Rowland教授、MJ.Molina教授らがフロン (CFC)がオゾン層に影響を与える可能性や、人類、生態 系に影響を与える可能性を発表したことから、一気に"地 球温暖化の問題"や"化学物質による地球汚染の問題"が浸 透し、化学物質の環境問題に関心が高まった。
 1985年にはウィーン条約、1987年にはモントリオール 条約ができて、1992年以降、条約締結国では新たなる製 造ができなくなった。日本では、ハロンは1971年以来、 "二酸化炭素消火設備と同等以上の消火性能があるもの"と して急速に普及したが、条約締結国の一員として、現在で は、既存の設備の改修・取壊しなどの際、ハロン消火剤を 回収し、"エセンシャルユース"の施設のみにリユースして いる。

3.2 ハロン代替消火剤開発の動向

 ハロンは毒性が低く、消火性は極めて怖く、科学的安定 性、低腐食性および電気絶縁性に優れているので、需要量 が飛躍的に増大した。ところが、科学的安定性に優れてい ることが、かえって大気中での寿命を長くすることにな り、成層圏のオゾン層を破壊する結果となった。
 優れた代替ハロンが見つからないままに、特定のハロン の生産を中止したが、ハロンを使うのがやむを得ない施設 もあることから、リサイクル組織が生まれた。日本では、 1993年7月に自治省消防庁の指導のートにハロンバンク推 進協議会が設立された。
 米国では、ハロンに代わる消火剤メーカーが集まって HARC〔ハーク:代替ハロン研究協会(Halon A1ternative Research Corporation)〕およびHRC〔ハロン・リサイク ル協会(Halon Recycle Corporation)〕がハロン代替物の 研究開発の振興とハロンリサイクルに関する情報交換の場 として活動している。米国では、多くの化学系メーカーが 新代替ハロンの開発にしの(凌)ぎを削っており、最近、代 替ハロンとして認められたCF31もその一つである。
 米国は、経済の発展にはハロンが不可欠と考え、リサイ クルハロンの輸入制限を 2000年度に緩和し、世界上千丁に 眠っているハロンを輸入できるようにした。特に、航空機 の火災にはハロンは不可欠と考えている。
 ヨーロッパ(EC)がハロンを"2003年までに廃止すべし" といっているなかで、エセンシャルユースとしてハロンの 必要なところもあり、ハロンを破壊する施設をつくっても 採算がとれる見込みがないことから、極最近では、米国へ の輸出を容認する動きさえ出てきている。
 航空機のエンジン火災には、特に強力な消火剤が必要 で、毒性はハロンより強いが、消火能力が大きいCF3Iを 採用した。環境問題を重視しながらも、より消火力の強い 薬剤を探し求めている。また、毒性の基準が従来の力法で は、合理的ではないと主張し、日本、ECがハロンを避け るなかで米国は合理性を追求している。

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