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燃焼と地球環境(5)
クリーン燃焼技術とその有効性(その1)
燃焼と環境汚染


定方正毅
東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻
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キーワード:燃焼(Combustion),石炭(Coal),大気汚染(Air Pollution),窒素酸化物(0xide of Nitrogen)

1.燃焼と環境汚染
産業革命以降の人々の物質的豊かさに対する強い願望は、エネルギー消費の急速な増大につながった。他のエネルギーに比べて、石炭は、世界中でいまだ豊富に存在しており、一次エネルギーのなかの重要な部分を占めており、さらに、今後数百年間利用可能なエネルギー源でもある。しかしながら、石炭の急速な消費の増大は、大気汚染、水汚染および地球温暖化などを引き起こした。21世紀の課題が地球システムの再生にあると考えたとき、石炭のクリーン燃焼技術は地球再生技術中の重要部分となろう。
地球システムの再生のためには、@途上国の環境破壊なき経済成長の実現、A先進国のライフスタイルの転換が必要条件となる。このうち、Aは物質的に豊かな生活から精神的に豊かな生活への転換を意味する。@、Aを実現するためには、従来よりも格段に省資源、省エネルギー型のクリーン燃焼技術や廃棄物の1/サイクル有効資源化技術、あるいは有用な副生物あるいは省エネルギーを実現できる環境保全技術の開発が求められる。

1.1 N0xの排出抑制法
NOの排出抑制法としては、次の二つの方法が挙げられる。
1) 低N0x燃焼法
2) 排煙脱硝法
低N0x燃焼法とは、運転の改善や、低N0xバーナの設置あるいは炉の改善によって燃焼火炎からのNOの生成を抑制しようとするもので、後者の排煙脱硝法に比べて低コストで済む利点がある。これに対して、排煙脱硝法は、燃焼後の排ガス中から還元剤や触媒を用いてNOを除去しようとするもので、燃焼法の改善に比べて高いNO低減率が得られるが、高コストとなる。したがって、NOをできるだけ低コストで目標値まで低減化するための手順として、図‐1に示すようなフローが考えられる。


まず、NOの排出をどこまで抑えるかという目標値を設定する。次に、低コストで済む燃焼法の改善のなかで適切な手法を選択するために、燃焼場におけるNOの生成機様を判定する。次に、低NOx燃焼法のなかでも、コストの低い運転法の改善からはじまって、低NOxバーナ、炉改善の順にNOの生成機構に応じた低N0x燃焼法を選び、NO低減率を推算して最初に設定した目標値を達成するかどうかを調べる。次に、低N0x燃焼法のみでは目標値を達成できない場合には、燃焼炉のあとに排煙脱硝プロセスを設置して、目標値を達成する。以下、低N0x燃焼法、排煙脱硝法の順で、その原理と具体的な方法を述べる。

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