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会長の挨拶
 会長就任にあたって
21世紀ビジョンプラスを踏まえた中・長期計画の立案と実践― 

 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
    会長 大塚 雅之

 このたび、田辺新一前会長の後任として、第94期、95期の会長の大役を仰せつかりました。歴代会長の高い視座、広い視野に立った本会発展への思いを継承し、微力ながら努力をしたいと考えています。ご支援のほど宜しくお願いします。
 さて、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が心配されていますが、まさに世界が直面する危機に対し、国際社会において、先進的な空気調和・衛生工学の技術と知見をもって、人々の健康・安全へ貢献すべきと、その使命を強く感じています。

本会のたゆまぬ努力の継続が、国連の掲げる人類の「持続可能な開発目標;SDGs」の実現へも繋がるものと思います。学会設立100周年を経て代議員制も成立した今、学会の掲げる持続目標「21世紀ビジョンプラス」の以下の3つの提言を踏まえ、5年から10年先の学会のあり方、次世代に繋がる具体的な中・長期計画の立案とその実践が求められています。

先ず「産業構造の改革」の中、急速に学術・技術の国際化が進んでいます。欧米を中心とするASHRAECIBW062など国際学協会との学術交流を推進するとともに、本会にとって、これからの大きな市場となるアジアにおける学術交流と情報発信のプラットホームとなることが必要と考えます。会員のアジア市場への進出を支援できる学会としての役割。例えば、技術の結集された本会のSHASE規格や技術マニュアル等を海外でも活用し普及させることも学会のプレゼンスを高める戦略になります。また、2011年の東日本大震災以降、地震、豪雨などの自然災害、この度はCOVID-19のパンデミックに見舞われ、甚大な生活と健康被害を受けています。この教訓から、専門分野の技術の深化とともに分野間の連携の大切さを学びました。建物内の空気調和・衛生設備に軸足を置き、広く電気・情報設備、医療・介護等の分野との連携、加えて建築学会、土木学会、地盤工学会等の建設系7団体とも情報共有し、地域・都市といった面レベルで総合的な災害対策、健康・安全対策も提言することも役割と考えます。

さらに、「ZEBの普及と低炭素化社会への圧倒的寄与」について、地球温暖化対策の一環として、行政とも連携しZEB技術の更なる普及、ZED推進のための未評価技術の設計・評価への支援、Non Energy Benefit創造へも力を入れてゆきます。また、本会の目指す空調設備と衛生設備の両輪での低炭素化社会への貢献を考えれば、アジア諸国での水環境と衛生環境の保持、水資源の有効利用といった視点から衛生工学分野の強化にも努めます。都市インフラへの負荷軽減を視野に入れたZWB(ゼロウォータービル)の概念構築、豪雨による水害・防災対策となるグリーンインフラの活用なども新分野とし、低炭素化社会を省エネルギーと省資源の両輪からの実現させ、新たなベネフィットを生み出す活動を推進したいと考えています。

最後に「高度合理化のための基盤整備と普及促進」について、高度な技術革新に対応でき、それらを総合化できる次世代の技能者の育成を支援します。首都圏を中心に実施されている先端技術講習会などの教育普及事業、学術シンポジウムなどの学術事業、CPD事業もオンラインシステムも活用し、時間・場所を問わず広く情報を配信することで、技術の普及促進も広がると思います。内容もファシリティーマネージメントに寄与できるBIM技術、AIIoT技術などのこれからの技術を盛り込んだ教育プログラムも編成し、今までの建築設備工事業、建設・設計業を主体とした会員に加え、機器メーカー等の新規会員の開拓にも繋げたいと考えます。10年後に若手技術者が減少する人口ピラミッドを見据え、今から会員数確保への方策とその実践に努めます。

思えば、学生時代、スチューデントフォーラムに参加し、職員の皆様とも親睦のあった学会。事務局のカウンター越しに会員と職員とのフレンドリーな会話が飛び交う学会。そんな雰囲気とマインドを大切に、次世代に繋がる学会運営の基盤を築くこともタイムリーかと思います。